「IT」カテゴリーアーカイブ

全ソフトがAI内蔵に アマゾンクラウドCEOに聞く

クラウド最大手、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に、今後すべてのアプリケーション(ソフト)に人工知能(AI)が内蔵されるとの見方を示した。2010年代にIT(情報技術)業界をけん引したのはスマートフォンなどのモバイル機器と、それを支えるクラウドコンピューティング。創業時から同社を率いるジャシー氏に今後10年の見通しを聞いた。――AWSは年間売上高4兆円規模に育ちながら年率35%で成長しています。創業時にこうした状況を予想しましたか。「当社の母体である米アマゾン・ドット・コムは信頼性や拡張性、そしてコスト競争力の高いIT基盤を必要としており、他社にも同じ課題があると考えた。事業の先行きには楽観的だったが、成長は想像を上回った。クラウドの活用により企業は固定費を変動費化できた。規模の経済が働き価格も安い。事業のスピードや柔軟性を高められることも評価を受けた」――今後も高い成長率を持続できますか。「将来の成長率は予測できないが、成長余地は大きい。世界のIT投資に占めるクラウドの比率はまだ3%にすぎず、大企業や公共部門はクラウドへの移行の初期段階にある。他国は米国より1〜3年遅れているのもこう考える理由だ。今後10〜15年で、データセンターを自社保有する企業は少なくなり、保有企業も用途を限定するはずだ」――20年代はどのような技術に注目しますか。「事実上すべてのソフトが何らかの形でAIや機械学習の機能を内蔵するだろう。(利用者の近くでデータを処理する)エッジコンピューティングも実用化される。家庭やオフィス、工場、自動車などあらゆる場所にネットワークにつながる何十億ものモノが置かれ、データを収集・分析して活用できるようになる」巨大テクノロジー企業の解体論を巡っては「分割の必要性はない」と言及巨大テクノロジー企業の解体論を巡っては「分割の必要性はない」と言及「ロボット技術の普及が進み、人手が必要だった業務を代行するようになる。例えばエネルギー企業ではパイプの劣化を人が検査しているが、機械学習で認識技術を高めた自動操縦のドローン(無人飛行機)が代替する。量子コンピューターも数年以内に広範な利用が始まる。10年前に現在の状況は想像できなかったが、今後10年の変化はさらに大きくなる」――クラウドの分野を見ても、中国のアリババ集団などが追い上げ、米国防総省の案件では米マイクロソフトに競り負けました。「アリババを含む他社の事業拡大が国家安全保障に影響するとは思わない。ただ、アリババについていうと、一部の顧客が中国での利用を検討している事例があるが、欧米では現在、大きな存在感はない。マイクロソフトに関しては、顧客に話を聞くと『当社の方が技術で2年先行している』と話している」――米司法省などが巨大テクノロジー企業への監視を強め、解体論も浮上します。今後も技術革新を主導できますか。「政府の決定には従うが、そもそも企業ごとに状況は異なる。アマゾンの小売事業は世界の小売市場の1%にすぎない。クラウドもIT投資の3%で、当社はさらにその一部を占めるだけだ。分割の必要性は見あたらない。顧客中心主義という企業文化を見失わければ、顧客が必要とするものを提供し続けられるはずだ」(聞き手はシリコンバレー=奥平和行)

Amazon・Apple・Google 「つながる家電」で通信統一

【シリコンバレー=奥平和行】アマゾン・ドット・コム、アップル、グーグルの米IT(情報技術)大手3社がインターネットにつないで使う家庭機器を対象とした共通の通信方式を作ることを決めた。2020年後半に技術仕様を公開する計画だ。通信方式を一本化することで消費者や機器を開発・製造するメーカーの利便性を高め、技術の普及を加速する。
3社に加え、無線通信規格の策定を担う業界団体、ジグビー・アライアンスが18日、「プロジェクトコネクテッドホーム・オーバーIP」を立ち上げると発表した。3社はコンテンツ配信などで激しく競り合っている。一方、成長が見込まれる「スマートホームデバイス」の分野では利便性を優先することにした。
米国を中心に監視カメラやエアコンの制御装置、照明器具といった家庭で使うネット接続機器が普及してきたが、機器間の通信方式が異なっていた。「グーグルの人工知能(AI)スピーカーと組み合わせて使うには、グーグルに対応した製品が必要」といった状況になり、消費者の負担になっていた。
今回の取り組みが成功すれば、消費者は様々な製品を組み合わせて使うことが簡単になる。操作に使うAIスピーカーを別のメーカーの製品に取り換えても対応機器を継続して使えるといった利点もありそうだ。メーカーは各社の通信方式にあわせて製品を作り分ける必要がなくなり、開発の手間や過剰な在庫を抱えるリスクを抑えることが可能になる。
新たな通信方式はインターネットの技術を基盤とし、まず無線通信のWi-Fiなどを通じて使えるようにする方針だ。アップルの「ホームキット」など既に各社が個別に実用化している技術を活用することで開発に必要な時間を短縮するとしている。新たな通信方式を広く公開し、利用を希望する企業が無償で使えるようにする予定だ。
ジグビー・アライアンスに加わる韓国サムスン電子やスウェーデンの家具大手イケア、フィリップス(オランダ)から分離した照明大手のシグニファイ(同)なども通信方式の策定に参画する意向を示している。各社が家電製品や照明器具といったそれぞれの事業領域で対応機器の販売を検討する見通しだ。
米調査会社のIDCによると、監視カメラや照明器具、AIスピーカーといったスマートホームデバイスの世界出荷台数は23年に15億5740万台に達する見通しだ。19年の見通しより約9割多い水準となる。スマートフォンなどに続く成長分野のひとつとして注目を浴びているが、通信方式が乱立することにより混乱が生じるとの見方も浮上していた。

IBMと東大、量子コンピューターで連携 日本に設置へ

米IBMと東京大学は19日、次世代の超高速計算機「量子コンピューター」の研究開発で協力すると発表した。新薬や素材の開発から物流、金融サービスなどの広い分野で革新をもたらすとみられ、世界で開発競争が激しい。
IBMは開発中の機種を日本に設置しハードとソフトの両面から開発を加速するねらいだ。
IBMは2016年から量子コンピューターをクラウド経由で開放し、世界で利用者は20万人にのぼる。提携する機関は90を数え、日本では慶応義塾大学に拠点がある。東大との協力ではクラウド経由ではなく、量子コンピューターの実機を持ち込む。20年に東大本郷キャンパス(東京・文京)と日本アイビーエムに設置する計画だ。
IBMは応用分野の広い「ゲート方式」の量子コンピューターを開発中で、米国とドイツに設置している。日本は3カ国目、アジアで初になる。
量子コンピューターの性能は最近急速に向上し、米グーグルが10月にスーパーコンピューターをしのぐ性能を実証したと発表した。しかし実用化に向けてハードとソフトとも課題は山積している。東大との連携で解決策を探り、人材の教育と育成などにも取り組む。
IBMと東大は産業界や他大学にも連携を広げる計画だ。この分野に力を入れているグーグルや中国のアリババ集団などとの競争で優位に立てるようにする。東大も量子コンピューターに関連する多くの分野の研究を底上げできると期待している。
量子技術で日米欧連携 研究や人材交流、中国に対抗
量子技術の開発で日米欧の連携を確認した(17日、京都市)
日米欧は次世代計算機の量子コンピューターをはじめとする量子技術の開発で連携する。産業競争力や安全保障に大きな影響を及ぼす技術だけに、共同研究や人材交流を通じて実用化を急ぐ。国をあげて開発に取り組む中国に対抗する。
日米欧の政府関係者や大学の研究者らが16〜17日に国際会議(京都市)を開いたのを機に(1)スーパーコンピューターの性能をしのぐ量子コンピューター(2)周囲の状況を超高感度で検知する量子計測(3)重要情報の漏洩などを防ぐ量子通信・暗号――の3分野で連携する方針を確認した。日米政府は近く2国間の覚書も結ぶ。
各国政府が関連予算の拡充などを通じて日米欧の共同研究を支える。公的機関や大学などの人材交流を深め、企業の投資も呼び込む。詳細は今後詰める。
量子技術は「量子力学」と呼ぶ物理法則を使う。極微の世界で起きる特殊な現象を操り、超高速計算など前例のない応用が期待される。開発には物理学や工学など幅広い専門知識が必要だ。先を急ぐ米国であっても、一国で担うのは難しい。
米大統領直轄の科学技術政策局でアシスタント・ディレクターを務めるジェイコブ・テイラー氏は京都市内で日本経済新聞の取材に応じ「どの国も最高の人材、技術、知識を(独占的に)支配はできない」とし、3極の連携に期待を示した。
意識するのは中国だ。オランダの学術情報大手エルゼビアによると、2018年までの10年間に量子技術で最も多くの研究論文を発表したのは中国だった。次世代通信規格「5G」や人工知能(AI)に続き、米国は警戒心を抱く。
中国ではアリババ集団などが量子コンピューターの開発を進め、量子暗号通信の研究でも先行する。中国は、国としても安全保障に絡むとし、早期の実用化に突き進む。20年には、1兆円規模を投じた研究施設が安徽省に完成する見通しだ。
日本は量子コンピューターの基礎研究で優れた実績があり、量子計測や量子暗号通信の技術水準も高い。ただ研究投資の規模などで米中に見劣りし、実用化への取り組みも遅れる。日本の技術を米欧との連携でどう生かすのかは課題だ。

Amazon・Apple・Google、「つながる機器」の新規格で連携

【シリコンバレー=奥平和行】アマゾン・ドット・コム、アップル、グーグルの米IT(情報技術)大手3社がインターネットにつないで使う家庭機器を対象とした共通の通信規格を作ることを決めた。2020年後半に技術仕様を公開する計画だ。規格の乱立を防ぐことにより消費者や機器を開発・製造するメーカーの利便性を高め、機器の普及を加速する。
3社に加え、無線通信規格の策定を担う業界団体、ジグビー・アライアンスが18日、「プロジェクトコネクテッドホーム・オーバーIP」を立ち上げると発表した。
3社はコンテンツ配信や電子商取引といった分野で激しく競り合っているが、成長が見込まれる「スマートホームデバイス」の分野では利便性を優先する。今回の取り組みが成功すれば消費者は規格の違いを意識しないで製品を購入・利用できるようにり、メーカーも規格にあわせて作り分ける必要がなくなる。
新たな規格にはインターネットの基盤技術であるインターネットプロトコル(IP)を応用する。アップルの「ホームキット」など既に各社が個別に実用化した技術も活用し、開発に必要な時間を短縮するという。技術はソフトを誰でも改変したり利用したりできるオープンソースと同様の考え方に基づいて開発を進め、利用を希望する企業が無償で使えるようにする。
既にIT大手は家庭用の監視カメラやエアコンと組み合わせて使うサーモスタットなどを販売しており、こうした製品が対象となる見通しだ。ジグビー・アライアンスに加わるスウェーデンの家具大手イケアやフィリップス(オランダ)から分離した照明大手、シグニファイ(同)なども参画の意向を示しており、照明機器などでも対応機器が出る見通しだ。
米調査会社IDCによると、監視カメラや電球、スマートスピーカーといったスマートホームデバイスの世界出荷台数は23年に15億5740万台に達する見通しだ。19年の見通しより約9割多い水準となる。スマートフォンなどに続く成長分野のひとつとして注目を浴びているが、規格が乱立することにより混乱が生じるとの見方も浮上していた。

ソフトバンク、東大とAI研究所を開設

ソフトバンクは6日、東京大学と人工知能(AI)の研究所を開設すると発表した。AIの基礎研究のほか、先端医療などにAI技術を応用する研究も手掛ける。研究成果は共同で事業化し、そこで得た収益を研究開発やAI人材の育成に投資する。東大や海外の有力大学の研究者を招き、世界最先端のAI研究機関を目指す。
「Beyond(ビヨンド)AI研究所」を2020年度内に立ち上げる。基礎研究の研究所を東大本郷キャンパス(東京・文京)に設け、応用研究の拠点はソフトバンクが20年度に本社を移転する竹芝オフィス(東京・港)に設置する。
AI研究では米国や中国が先行し、なかでも大学がAI関連の特許を多く保有している。ソフトバンクは東大と組むことで、AI関連の研究や技術開発で巻き返しを図る。ソフトバンクは研究者や学生の活動資金として、グループ全体で10年で200億円を投資する。
ソフトバンクG孫氏「基礎研究だけでは続かない」 東大総長と対談
ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長と東京大学の五神真総長は6日、共同設立する人工知能(AI)の研究所について都内で対談した。孫氏は「基礎研究するばかりではお金も情熱も続かない」と指摘した上で「技術を事業化に結びつける」ことが重要と強調した。
SBG子会社のソフトバンクと、東京大は2020年度内にAIに特化した研究所を設ける。研究成果は共同で事業化し、人材育成に投資する。孫氏は「学生たちに学ぶ機会を増やし、起業のチャンスをどんどん与えていきたい」と述べた。SBG傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資先のAI企業との連携も視野に入れる考えを示した。
五神氏は「最近は東大にもスタートアップ企業のオフィスも集積し、優秀な学生がこぞって起業を目指すようになった」と述べた。一方で「(東京大学は)国内では一番トラディショナル(伝統的)な組織。新しい物好きなソフトバンクとの連携は社会にいいインパクトを与えるのでは」と期待を示した。
孫氏はAIを巡る情勢について「米国と中国が国をあげて真っ向勝負している。企業数やその規模、特許の出願数も2国のトップ争いになっている。日本は蚊帳の外と言っていいくらいだ」と危機感を示した。その背景として「日本はAIについて十分な知識が得られる学習の場が少なかった」と述べた。

ヤフー・LINE 迫られた選択(上)データ競争 かすむ存在

極東の両雄 脱落の危機感
ガイア――。検索サービス「ヤフー」を手がけるZホールディングス(HD)とLINEの経営統合プロジェクトはこう名付けられた。ギリシャ神話の女神の名前から地球を意味するようになった言葉だ。
再編劇のきっかけは今年春のZHDの川辺健太郎社長とLINEの出沢剛社長らの会食だ。過去に資本提携を持ちかけられた際にはLINEは取り合わなかったが、今回は違った。
絶対に気づかれないようにしよう――。ZHDからは川辺社長と腹心の小沢隆生取締役、LINEからは出沢社長と舛田淳取締役らがメンバーとなり、都内ホテルなど場所を転々と変えて会合を重ねた。
鋼鉄船VS木造船
「やはり経営統合だ」。9月上旬にはLINEの親会社の韓国ネイバーの創業者である李海珍(イ・ヘジン)氏が東京都港区のソフトバンクグループ本社を訪問。孫正義会長兼社長と会い、互いの子会社であるZHDとLINEの統合方針を確認した。
「孫と李の同盟」。韓国メディアは今回の統合をこう報じる。2人は日韓両政府の関係が悪化するなかでも信頼を醸成してきた。日本からの半導体材料の輸出手続きが厳格化された7月4日に孫氏はソウルの大統領府を訪ね、文在寅(ムン・ジェイン)大統領から「韓国企業の世界進出を支援してほしい」と要請された。その夜、韓国財界関係者と会食した孫氏はネイバーを称賛して、居合わせた李氏も笑顔を返したという。
李氏は表舞台にはほとんど出ないが、ネット業界の知名度は高い。米グーグルは2000年代に世界各国で検索サービスの攻勢を強めたが、過半のシェアを握れなかった数少ない国の一つが韓国だ。ネイバーは今でも8割のシェアを握る。
自国市場の防衛に成功した李氏だが、データ経済のなかで覇権を握ろうとする米国と中国の巨大IT(情報技術)企業との競争では窮地に立たされた。数年前から「グーグルや騰訊控股(テンセント)には世界最高レベルの人材がいる。鋼鉄船300隻を持つ敵に、我々は木造船10隻で対抗しようとしている」と社内に危機感を訴えてきた。
「もう予算がない」。かつては優良子会社だったLINEもスマートフォン決済のシェア争いで販促資金が足りなくなるなど、苦境に陥っていた。
「スケール小さい」
18日の記者会見でZHDとLINEの両社長は何度も「米中の巨大ITへの危機感」を語った。「強い者がどんどん強くなり、差が開く」(出沢氏)。サービスの月間利用者数はヤフーが約6700万人でLINEが約1億6千万人だが、巨大ITは20億人超だ。ヤフーとLINEの研究開発費は合計約200億円だが、グーグルなど「GAFA」は兆円単位だ。「スケールが小さいので気にしていない」。GAFA関係者は2社の統合をこう評する。
生活の様々な場面で生まれるデータをより多く獲得するために巨大ITは規模拡大にまい進する。日韓ITの両雄も世界で一定の存在感を持たなくては競争のルール作りの場に声が届かず、手をこまねいていれば母国市場も奪われかねない。経営統合は米中の巨人のはざまで生き残るための必然の選択だった。

ほころぶ「全国一律」 コスト映す改革課題 人口減が迫る公共再設計

急速な人口減少が公共サービスの見直しを迫っている。通信大手や地方自治体は過疎地を含めた一律のサービスを維持する負担に苦しみ、識者からはコストを踏まえた改革を促す声が上がる。
沖縄県の石垣島の東に浮かぶ小島。近くの電話局との間をつなぐ海底ケーブルで2015年、台風15号による断線が起きた。NTT西日本は長崎県から専用船を派遣して半年がかりで修理した。この島には固定電話の契約が2回線しかない。そのサービスを維持するために5千万〜6千万円の修理費がかかった。
国内の山間部では様々な要因で断線が起きる。倒木や積雪、落雷による切断が多く、キツツキがつついたり猟銃の弾が当たったりして切れることもある。どんなに利用者の少ない地域でも、NTT東日本・西日本の復旧チームは駆けつける。
固定電話はNTT法が「全国での公平かつ安定的な提供」を義務づけるユニバーサルサービスだ。どこでも利用者の求めに応じて電線を引いて維持する必要がある。津々浦々の通信網を維持するコストはNTT東西の収益を圧迫し、2018年度の両社の固定電話事業は360億円の赤字だった。
「電線の再敷設が著しく経済合理性を欠く地域では緩和してほしい」。たまりかねたNTTの要望を受け、総務省は20年の通常国会に改正法案の提出をめざす。過疎地では電線のかわりに携帯電話の電波を使うことを認める。NTT東西は投資を年数十億円減らせる。
固定電話の赤字の一部は携帯大手が補填し、携帯料金に月3円の原資が上乗せされている。赤字が減れば上乗せは減る。NTT東西が全国の光回線サービスなどの料金を下げる余地も広がる。
すでに米国、英国、韓国は電波による代替を認めた。有線よりも音声の伝達が遅いが、大差はない。通信品質のわずかな低下により、全国の利用者に恩恵をもたらす。
総務省は日本郵便が人手不足などを理由に求めた土曜配達の廃止も認める方針だ。これも北欧や韓国が先行する。
人口減で効率の低下した公共サービスを漫然と続けることはできないとの声が経営者や研究者の間で広がる。政府の経済財政諮問会議の民間議員は4月の会合で「水道、電力・ガス、郵便、通信などのユニバーサルサービスのコストを明らかにすべきだ」と注文した。
松村敏弘・東大教授は「全国一律に低廉な料金で、という発想がそもそも正しいのかを見直す必要がある」と語る。地域の実情がわかる自治体がサービスの内容や料金を選ぶ柔軟さがあってもよいというのが同教授の考えだ。「高齢者らの見守りに必要な光ファイバー通信を優先し、他のサービスは低下を受け入れるといったメリハリをつけるべきだ」と提案する。
給水時間や水質などサービスの質を落としにくい水道。静岡市は2020年4月に料金を平均14.8%も引き上げる。総延長2600キロメートルに達する水道管の老朽化が進み、更新を加速する必要があるためだ。住宅がまばらになった地域もあるが、今と同じ場所に引き直す。
同市は「1軒でもあれば水道管を引くのが行政の役目だ」と理解を求めつつ、長期的な負担の抑制策にも取り組む。公共施設や商店を中心部に集め、市民の住む場所も誘導する「コンパクトシティー」だ。居住地域が狭くなればインフラ維持のコストも削減できる。
公共サービスの内容や対象地域の今ある姿を絶対視せず、柔軟に見直すことなしに人口減時代に活力を保つのは難しい。

データ利用「違反」4分類 監視・抑止力強める 優越的地位の乱用、個人保護に適用

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公正取引委員会は29日、個人情報を巡る規制に向け、具体的に独占禁止法に違反する恐れがある4つの類型を示した。大量のデータを囲い込んで個人に不利益を与えるプラットフォーマーへの監視を強める。データの活用は今や企業の事業展開に欠かせない。企業にとってはデータを扱うルールを順守し利用者の信頼を得ることが成長の必須条件になってきた。
公取委が今回の指針案の作成で力を入れたのは、強い立場を利用して個人データを吸い上げると独占禁止法で定める優越的地位の乱用にあたると国内外のIT企業に警鐘を鳴らすことだ。
米フェイスブックや米グーグルなどが手がけるプラットフォームビジネスは一般的に、利用者が情報提供と引き換えに無料でサービスを受ける。日常生活の中に深く入り込んでいたり、データを他のサービスに移すと不便になったりするなど、事実上、利用をやめられないケースも多い。
公取委はプラットフォーマーは利用者に対して非常に強い立場にあると判断。従来は企業間に適用していた「優越的地位の乱用」を個人向けにも使えるようにする。
指針案では本人の意に反する個人情報の取得・利用を具体的にイメージしやすいよう、4つの類型を示した。個人情報を収集する際にその目的を知らせるのは当然だが、規約に明記していたとしても、文章が専門用語ばかりで難解な場合は、ルール違反にあたる可能性が高いとした。
一部の情報について利用することを伝えていても、追加の情報を要求したり、本来の利用目的でない目的で転用したりすることも規制の対象とした。通販サイトの運営会社が販売に必要な住所やクレジットカードの情報を得ることに加え、閲覧履歴の提供もサービス利用の条件にすれば違反の恐れがある。
プラットフォーマーへの規制は欧州が法整備で先行している。欧州連合(EU)はすでに2018年5月に一般データ保護規則(GDPR)の運用を始めている。これに対し日本はルール整備で出遅れた。対策としてまずは、すでにある独禁法を活用することで遅れを取り戻す考えだ。
独禁法でも公取委が違反と判断すれば改善を求める排除措置命令を出したり、課徴金の支払いを命じたりすることができる。米国は7月には司法省がグーグルなど「GAFA」を念頭に反トラスト法(日本の独禁法)で調査に乗り出した。ドイツも2月、フェイスブックの利用者からのデータ収集を「支配的地位の乱用にあたる」とした。
データビジネスの範囲は多岐にわたるため、他の関係省庁も連携して対策を進める。個人情報保護法を所管する個人情報保護委員会は29日、「必要な範囲で連携する」とコメントを出した。
企業、説明責任重く

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テンセント(中国ネット大手)クラウドで参入 顧客獲得100社めざす

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テンセント(騰訊控股)はネットを通じてソフトやサーバーなどを貸し出すクラウドサービス事業で日本市場に参入しました。
1年以内に100社の顧客獲得を目指すとのこと。
日本のクラウド市場には既にアマゾン・ドットコムが参入し、約半分のシェアを握る。
中国企業ではアリババ集団に続く参入となる。中国企業の攻勢が強まるが、
日本では情報漏洩に対する懸念の声もある。
世界各国で個人データの流用が問題視される中、クラウドサービスを通じて情報の流出等も懸念されるが、
同社担当幹部は「各地の法律法規を尊重する。顧客データを顧客の許可なしに扱うことはない」とした。
テンサントの2018年12月期のクラウド事業の売上高は91億元(約1400億円)で全体の3%だが、成長率は高い。前年実績比で2倍以上の伸びを実現しており、既に世界6位の地位を築いたという。
一方、日本のクラウド市場は現在、アマゾンが首位で、2位はマイクロソフトと、市場の6割はアメリカ勢を中心に外資企業が握る。
さらに今回、中国大手の参入で外資存在感はさらに増すことになるが、警戒感も同時に高まる。
世界では今、データを巡る、法規制の厳格化が進み、個人データの保護の扱いを誤れば、企業は経営を揺るがしかねない事態になっているからだ。
一方、日本では個人情報保護法のガイドラインで機密性の高いデータに関する扱いなどを定めるものの罰則などの厳格さを欧州や中国などと比べると現状の規制は緩い。2020年に目指す個人情報保護法の改正で、GDPR(一般データ保護規則)などを参考にしてデータ保護の強化を図る検討が進むが、動きは鈍い。
こうした日本の事情に、テンセントもでーたの安全性の確保に気を配る。
参入に当たっては日本国内に専用のデータセンターを用意し、中国で収集した顧客データの国内保存などを義務付ける中国のサイバーセキュリティ法の影響を受けずに済むようにしている。
まったく、この日本で米欧中がシェアを握っているなんて、ITジャパンの意地を見せてほしい。

子どものIT教育、エドテックで加速

文部科学省が2020年度から小学生にプログラミング教育を必須化するのはご存じだろうが、
子どもの学習塾大手などは既にアジアを中心に子どものプログラミング教室を広げていっている。
ロボット・プログラミング教室を日本国内で1600カ所展開するヒューマンホールディングスは2018年末にシンガポールに「KOMABAロボット教室」を開いた。
同教室には5〜12歳の約50人が生徒として通う。
「平日に教室で教えてもらって、週末にお父さんと一緒に家でロボット作りができるからうれしい」
「ロボットのおかげで、子どもが熱中し手取り組むようになった」
同社は2019年にはベトナムで試験的に2教室を開いた。
タイでも年内に教室を開く予定だ。
中国、台湾では44教室に上り、2020年までにアジアを中心に10カ国以上での展開を目指す。
このように教育大手がITテクノロジーと教育(エデュケーション)を融合させた「エドテック」を追い風に教育制度の整備で地域差の参入障壁をも越えてグローバル競争も始まりつつある。
インドでは教育アプリ「バイジューズ」の運営会社、中国ではオンライン英語教育を手掛ける「VIPKID]など、アジアではエドテック関連のユニコーン企業(企業としての評価額が10億ドル以上で非上場のベンチャー企業)が続々登場している。
中国では学習塾などを手掛ける新東宝教育科技や好未来教育が時価総額2兆円前後にまで成長し、アジアは教育熱に沸く。
日本では少子化が深刻だが、国連によると、アジア地域の19歳以下の人口は当面、15億人台を維持するという。経済成長や女性の社会進出が進み、アジアでの世帯収入は増えつつあり、教育熱も高まっている。
リクルートの山口文洋執行役員は「中国やインドは市場規模が広大だ。各国企業も今後は自国での事業拡大を進めるだろう」と話す。

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