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LINEのAI、飲食店の電話予約に対応 空席情報とも連携

顧客とAI電話予約サービス「さゆり」の会話のイメージ

顧客とAI電話予約サービス「さゆり」の会話のイメージ

日経クロストレンド

飲食店の予約管理システムを手掛けるエビソル(東京・渋谷)は、人工知能(AI)電話予約サービス「AIレセプション」の提供を10月1日から開始した。このAIはLINEの音声対応AIサービスをベースにしており、対人と変わらない自然な会話が可能だという。

■予約の半分以上を占める電話にAIが対応

「ぐるなび」「食べログ」など、いくつものグルメサイトがネット予約機能の利用を促進している昨今。飲食店における座席の予約は「ネットで調べて電話」というスタイルから、「ネットで調べてそのまま予約」というスタイルに変わりつつある。

とはいえ、エビソルのデータによれば、19年10月時点でもその割合は全体の46%程度。残りの54%はいまだに電話予約だという。しかも前日から当日にかけては電話予約のほうが圧倒的に多く、比率で言えばネット予約の2倍近くに上る。

ネット予約と電話予約が混在する現状において、電話予約への対応は店側にとって大きな負担になっている。単に予約状況を確認しつつ顧客とやり取りすれば済むわけではなく、自社のウェブサイトに加えて、提携している各グルメサイトにも同じ予約情報を手作業で入力する必要が生じるからだ。

また複数のグルメサイトと提携している場合、開店前および閉店後の時間帯や休日など、スタッフが対応できないタイミングでグルメサイト経由の予約が重複してしまう可能性もある。それを避けるためには、グルメサイトごとに一定の空席を確保しておくことも必要になる。

そうしたスタッフの手間や機会損失のリスクを解消するのが、ネット予約の情報をリアルタイムで自動登録するエビソルのシステム「エビカ」だ。自社サイト、各グルメサイトの空席情報を横断的に更新するエビカを導入すれば、同じ予約情報を各グルメサイトに入力する手間はなくなる。またネット予約が重複する心配もなくなるので、すべての空席をネット予約用に開放することも可能になる。さらにエビカは各種POS(販売時点情報管理)とシステムとも連携しており、予約なしでの来店情報を登録する機能も備えている。

そのエビカに電話予約の自動登録機能を追加するのが新サービス「AIレセプション」だ。「さゆり」と呼ばれるAIスタッフが合成音声で顧客と会話し、顧客の名前と来店人数・日時を確認した上で、その情報をネット予約の場合と同様にエビカに登録する。各グルメサイト経由の予約だけでなく、電話による予約もデジタルデータで一元管理できるようになるわけだ。

AIレセプションのイメージ。AIスタッフの「さゆり」がオンラインでエビカと連携し、空席情報の確認・提案から予約の登録までを行う

AIレセプションのイメージ。AIスタッフの「さゆり」がオンラインでエビカと連携し、空席情報の確認・提案から予約の登録までを行う

■実証実験に約1年、8割以上の業務に対応

AIスタッフ「さゆり」の「中の人」は、LINEの音声対応AIサービスだ。これは飲食店などの業務効率化を目的としたサービスである。

エビソルとLINEは「さゆり」の実用化に向けて19年11月から実証実験を実施しており、LINEの砂金信一郎氏によれば「営業時間外の電話予約、予約内容の確認など電話に関わる業務の8割に問題なく対応できている」とのこと。「さゆり」は単に予約を受け付けるだけではなく、予約したい時間が満席の場合は「空席のある前後の時間帯を提案する」「近くの系列店を案内する」といった機能も搭載している。AIが電話予約に対応することで、電話業務に関するスタッフの負担は半減するという。

予約の変更・キャンセルや忘れ物の確認など、「さゆり」では対応できない業務については店舗のスタッフに交代することになるが、その際は顧客と「さゆり」の会話履歴もテキストで転送される。顧客が状況を最初から説明し直す必要はないわけだ。転送したときにスタッフが不在の場合、顧客は店舗の留守番電話などにメッセージを残しておくことになるが、スタッフが折り返して連絡する際にも便利な機能だ。

「現状は日本語のみだが、技術的には多言語に対応することも可能。今後もチューニングを重ねて精度を上げ、対応できる電話業務を増やしていく」と砂金氏は言う。対話アプリ「LINE」と連携し、予約内容をプッシュ通知することで顧客の「うっかり」によるキャンセルを防止する機能を追加する予定もある。

AIレセプションの利用料は100件までが月額1万5000円(税別、以下同)、以降は1件につき150円。電話応対にかかる人件費との比較は難しいものの、スタッフが対応できないタイミングでも予約を受け付けられるメリットがある。エビカを導入している店舗は全国約1万5000店に上るが、エビソルの田中宏彰社長は「全店で導入してもらえる可能性がある」と自信をみせる。

(ライター 堀井塚高、画像提供 エビソル/LINE)

富士通、AIで新型コロナの診断を支援

 
 
 
富士通は2日、東京品川病院と共同で、新型コロナウイルス患者の診断を支援する人工知能(AI)を開発すると発表した。感染が疑われる胸部コンピューター断層撮影装置(CT)画像から、AIが肺の陰影の特徴などを検出。感染の可能性を提示し、医師の診断にかかる負担軽減につなげる。
医師が肺患者を診断する場合、CT画像に映った陰影の特徴を詳細に確認している。陰影の異常の有無や分布状況を数百枚に及ぶ画像から判断する必要があり、医師の負担軽減や迅速な診断の支援が求められていた。
東京品川病院が所有する新型コロナ患者のCT画像から肺の陰影パターンをAIに学習させる。AIが異常な陰影パターンを検出し、分布状況と合わせて新型コロナに感染しているかどうかを判定する。診断にかかる時間の短縮や、専門医でなくても効率よく診断できるといった効果が期待できる。
富士通は今後のサービス化を目指すとともに、電子カルテ情報と連携させるなどして幅広い活用法を模索する。(水口二季)
 
コロナワクチン、希望者全員無料に 政府検討
各国がコロナワクチンの確保を急いでいる(写真は開発中のワクチン)=ロイター
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて政府が希望者は全員無料で接種できるようにする案を検討していることがわかった。まずは重症化するリスクの高い高齢者や医療従事者などを優先し、その後広げる。全額を国費でまかない、多くの人が速やかに接種できる体制を整える。
接種の進め方の詳細は感染症の専門家や経済学者らを集めた新型コロナウイルス感染症対策分科会でつめる。
2009年から10年にかけて新型インフルエンザが流行した際は、低所得者に限ってワクチン接種費用を国と地方が補助した。原則は自己負担で料金の目安は1回で3600円、2回で6150円だった。
今回は予備費を活用して無料とする案を検討している。全額を国費でまかない、自治体は負担しない。
新型コロナのワクチンは現在は開発段階。政府は実用化を見据えて米ファイザーや英アストラゼネカなど複数の製薬会社と日本向けの供給の交渉を進めている。夏に東京五輪・パラリンピックを控える21年の前半までに国民全員分の量の確保をめざす。
政府は円滑な接種が進む仕組みを構築するとともに、健康被害が生じた際の救済措置も設ける方針だ。訴訟で製薬企業が支払う賠償金を国が肩代わりする制度も整える。