「ラグビーW杯」カテゴリーアーカイブ

流行語年間大賞に「ONE TEAM」 ラグビー快進撃

初のW杯8強進出を決め、笑顔を見せるラグビー日本代表(10月13日、横浜国際総合競技場)
今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日、発表された。年間大賞にはラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本代表を率いたジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチが掲げた「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。
ノミネートされていた30語の候補から大賞に輝いたのは、W杯日本代表のスローガンだった。7カ国15人の海外出身選手を含む31人の選手は「桜の戦士ワンチーム」として心をひとつに快進撃を続けた。日本ラグビー史上初の決勝トーナメント進出に列島が熱狂した。
スポーツからは日本人2人目、42年ぶりのゴルフ海外メジャー制覇を果たした渋野日向子選手の愛称「スマイリングシンデレラ/しぶこ」も選ばれた。思い切りの良いプレーと明るい笑顔でファンの心をつかんだ。
30年余の平成が終わり、新元号の「令和」も流行語となった。令和婚が話題になり、5月1日の改元以降の1カ月で、婚姻件数は前年同月のほぼ倍になった。
一方、令和元年は大規模災害や事故が相次いだ年でもあった。9〜10月に台風15号、19号などが次々と上陸、大きな被害が出た。台風接近前に鉄道会社が運行の中止を決めて公表する「計画運休」がトップ10に入った。東京・池袋で4月に起きた80代の運転手による暴走事故などをきっかけに、高齢者の自動車運転免許の自主返納(「免許返納」)が急増した。
芸能界を騒がせたのが「闇営業」。会社を通さずに反社会的勢力の集まりに参加して金銭を受け取っていたとして、人気お笑いタレントらが処分された。会社側の危機管理や芸能界の慣習も問われた。
10月の消費税率引き上げからは2つの流行語がランクインした。飲食料品を持ち帰る場合に税率が8%に据え置かれる「軽減税率」は店頭での混乱も招いた。一方、ポイント還元制度を背景にキャッシュレス決済「○○ペイ」の普及が進んだ。
消費の現場からはタピオカ入りのドリンクを飲むことを意味する「タピる」が入選した。
昨年の流行語となった「#MeToo」に続いて選ばれたのは、「靴」と「苦痛」をもじった「#KuToo」。職場で女性のみにハイヒールやパンプスなどを強いる服装規定に疑問を投げかけ、男女平等の社会を目指す動きが広がった。
選考委員特別賞には元大リーガーのイチローさんの引退会見での言葉「後悔などあろうはずがありません」が選ばれた。

散って堂々 桜に喝采「夢見せてくれた」「次へ高見目指して」

不屈の精神に拍手と涙 ラグビーW杯「勇気もらった」
力を振り絞ったが、届かなかった。20日に行われたラグビーワールドカップ(W杯)準々決勝で、日本代表は南アフリカに完敗し、初の4強入りを逃した。快進撃で何度も歓喜の渦を巻き起こしてきた桜の戦士たち。「一丸となった姿に感動した」「勇気をもらった」。スタジアムで、パブリックビューイング(PV)で、選手の地元で――。ファンらから惜しみない拍手が送られた。
●スタンド
南アの選手がボールを大きく外に蹴り出し、迎えた「ノーサイド」。1カ月に及ぶ日本の挑戦が幕を閉じた。選手たちは円陣を組んで奮闘をたたえ合う。4万8千人超で埋まった東京スタジアム(東京都調布市)のスタンドで、ファンは最後まで声をからし、拍手と涙で健闘をねぎらった。
「日本の勝利への気迫は相手にもプレッシャーになった。この経験は必ず次につながる」。家族5人で観戦した埼玉県所沢市の会社員、平山力さん(60)は感慨深げに話した。
今大会でラグビー好きになったという静岡県沼津市の佐藤杏奈さん(28)は「チーム一丸で戦う姿に感動した。会場のファン同士も和やかでラグビーの文化は素晴らしい」と笑顔を見せた。
外国人ファンも賛辞を送った。南アから母国の応援に駆けつけたポール・サンデルソンさん(43)は「速く情熱的なプレーは素晴らしい。日本にこれだけラグビーを愛するファンがいて驚き。もはや強豪国」と話した。
●花園
高校ラグビーの聖地、花園ラグビー場(大阪府東大阪市)でも、PV会場で大勢のファンが大型スクリーンを食い入るように見つめた。
妻とともに観戦に訪れた神戸市灘区の会社員、宗和司さん(52)は日本の戦いぶりに「胸が熱くなった」という。4年後を見据え、「さらなる高みを目指してほしい」
20日は、大会招致にも尽力した元日本代表監督、故平尾誠二氏(享年53)の命日。現役時代から平尾氏のファンだったという大阪市の会社員、小林佳典さん(59)は「日本開催は平尾さんの功績でもある。代表の活躍を本当に喜び、天国から力を送ってくれたはずだ」と思いをはせた。
●選手地元
鹿児島市の飲食店では、この日も先発したセンター・中村亮土選手(28)の母校、鹿児島実業高校ラグビー部のOBら約30人が試合を見守った。
高校時代、コーチとして指導した同部の富田昌浩監督(42)は「すべてを出し切った試合だった。(中村選手に)ありがとう、と伝えたい」。妥協を許さず練習に向き合う姿勢は今も印象に残る。今大会も「必死のタックルで相手の猛攻を抑え、チームを支え続けた」と教え子をねぎらった。
今大会、世界に快足を見せつけたウイングの福岡堅樹選手(27)。小中学時代に通った学習塾で担任だった神田岳彦さん(49)は、福岡市内のPV会場で観戦した。「たくさんの勇気や感動をもらった。心からお疲れさま」。福岡選手は、現役引退後に医師を目指すことを公言している。「学業とスポーツの両立に悩む子どもたちに夢や希望を与えてくれた」と目を細めた。