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再教育でデジタル人材育成 欧米が公的支援、日本は遅れ

欧米でデジタル人材を育てるリカレント教育(再教育)への公的支援が広がっている。新型コロナウイルスで世界的に雇用不安が広がるなか、失業リスクが高い産業からニーズが拡大するデジタル分野へ雇用シフトを進められるかがコロナ禍後の成長に直結する。産官学連携が乏しく、再教育で欧米に遅れる日本にとって喫緊の課題だ。
 
 
 
欧米が再教育支援を急ぐのは、コロナ禍で雇用ニーズの変化が加速しているためだ。もともと人間の作業が人工知能(AI)やロボットに置き換わるデジタル化の流れが進んでおり、雇用のシフトが進んでいた。そこにコロナ禍が発生し、営業制限を迫られた外食などサービス業で人員過剰を生んだ。
「危機を通じて強くなろう」。スウェーデンが11月から本格運用する再教育サイトはこんな標語を掲げる。産業界と労働組合、政府が提携して訓練メニューを開発。企業ニーズに応え、3Dプリンターや次世代通信規格「5G」の接続など、デジタル分野の知識を学べる仕組みとした。
同国は教育訓練のための休暇の導入など1970年代から再教育に力を入れてきた。「業界団体や企業のニーズに応じ、公的な教育訓練の内容を柔軟に変えている」(日本総合研究所の山田久副理事長)のが強みだ。
欧州ではフランスも3日発表した1千億ユーロ(約12兆円)の追加のコロナ対策で、雇用や職業訓練に153億ユーロを充てた。デジタル、医療などの職業訓練を支援する。
米国では超党派議員がスキル更新を促すための新法を提案し、専門技能の訓練を受けた個人に4千ドル(約42万円)の税額控除を与えると盛り込んだ。米マッキンゼー・アンド・カンパニーの試算では、米国はコロナ後に5700万人の雇用が失業リスクにさらされるが、デジタル分野などへの人材流動化を促す。
 
日本は遅れが目立つ。世界各国が労働市場のニーズを再教育にどれだけ反映できているかを、経済協力開発機構(OECD)が比較したところ、日本は加盟国で最下位だった。将来必要になる技能を定期評価する仕組みを企業が整えているかや、最新スキルを学べるプログラムを従業員に提供する企業の割合などを評価し、最大値が1となるよう指標化。日本は0.15で、加盟国平均の0.57を下回った。
2017年度から社会人がデジタル技能の訓練を受けると、費用の最大70%を公費で助成する制度を始めた。個人と企業のどちらも申請できるが、利用者は年間数百人程度どまり。新卒一括採用・終身雇用が続いてきた日本では企業も個人も「スキルを向上させようという危機感が生まれにくい」(経済産業省)。
コロナ禍による雇用ニーズ急変は日本も例外ではない。三菱総合研究所は事務職の人員過剰が22年に100万人超に膨らむと推計する。一方、デジタル技術を持つ専門職の不足は50万人程度になるとみる。政府は19年、AIの基礎知識を持つ人材を25年までに年間25万人育てる目標を掲げたが、実現へ歩みは鈍い。
民間では日立製作所がグループ全16万人にデジタル教育を始める動きも出てきた。デジタル時代の到来で、富の源泉はデータや知識へシフトする。そうした変化に対応できる人材の育成が、コロナ後の成長のカギを握る。
(飛田臨太郎氏、橋本慎一氏、ロンドン=今出川リアノン氏)
 
デジタルトランスフォーメイション(DX)教育
 
IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。2004年にスウェーデンのE=ストルターマンが提唱した概念で、ビジネス分野だけでなく、広く産業構造や社会基盤にまで影響が及ぶとされる。デジタル変革。(小学館)
 
2011年にドイツで提唱された「インダストリー4.0(第四次産業革命)」以降、世界中の主要国がITやAI技術を統括的に開発でできる人材育成を行ってきた。その点では日本はかなり遅れている。遅れて2016年に日本はソサエティ5.0を推進しているものの2025年大阪・関西万国博覧会までには間に合わない。DXの社会基盤づくりに菅内閣も早急にやろうとしているが、霞が関で話し合っても、どうしようもないレジュメしかでてこないであろう。もっと産学官民が一体となって基盤構築と人材活性をスピーディに進め、ここは実力のないIT企業は置いていくしかないのである。
とにかく有識者の選定も間違えている。どれだけ時代の先を見据えている学者がいるのかわからないが、あればそこに投資をし民間の力を借りて一気呵成に結果を出し続けることが必要だ。