厚労省、中高年特化の学び直し支援

厚労省、70歳雇用延長に対応
厚生労働省は45歳以上の中高年の会社員に特化したリカレント教育(社会人の学び直し)の講座を始める。希望する高齢者が70歳まで働けるようにするとの政府方針を受け、中高年層に長く働き続けるための準備を促す。社内で教育メニューを構築することが難しい中小企業の社員を対象に、若者への技術伝承に有用なコーチングの技術などを学ぶ機会を提供する。
2020年度予算の概算要求に1億9千万円を計上した。同年度は1800人程度を対象に試験的に実施する方針だ。2021年度以降、企業や受講者からの評価を基に講座の内容を見直しながら、受け入れ人数を拡大していく。
厚労省所管の独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(千葉市)が全国で運営している生産性向上人材育成支援センターが、企業や受講者本人からの相談に応じて教育メニューを提案する。実際の講座は民間のコンサルタント企業などに委託する。
同センターはこれまで、中小の社員の生産性アップを目的とした講座を展開してきた。6〜30時間でマーケティングや生産管理の基本を学べるもので、受講料は3千〜6千円。2018年度は約3万3千人が受講した。
2019年度からはこの講座をベースにして、中高年が65歳以上になっても働くための内容を加える。
自身の技術を後進に伝える際、若手社員のやる気を引き出すコミュニケーションの方法や、体力が落ちても仕事への高いモチベーションを維持していくための思考法などを学ぶ。基礎的なプログラミングなどIT(情報技術)を学ぶ講座も、慣れない中高年層向けに授業のスピードを落として展開する。
また、人事労務担当者に、高齢の社員が増えたときに必要な健康管理や安全管理の方法を学ぶ場も提供する。
政府の未来投資会議は5月、希望者全員の65歳までの雇用を企業に義務付けている高年齢者雇用安定法の改正案を発表。70歳までの社員が働ける場を提供することを企業の努力義務とする考えだ。企業は定年延長や契約社員などでの再雇用のほか、再就職支援や起業支援などの取り組みが求められる。

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