地球温暖化への危機感 学校スト、大人の責任問う

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({
google_ad_client: “ca-pub-5555637748235634”,
enable_page_level_ads: true
});
先月23日、国連本部で開かれた「気候行動サミット」に出席した16歳の少女の訴えは衝撃的でした。
〈「よくそんなことが言えますね」。開幕式で怒りに声を震わせたのは、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)だった。各国が「緊急性は理解している」と言いながら気候変動対策に背を向けた結果、次世代にツケを回していると首脳らを糾弾した〉
グレタさんは地球温暖化に危機感を持ち、世の大人が真剣に対策に取り組んでいないのではないかと、去年夏から、学校を休み、たったひとりでスウェーデンの国会議事堂の前に座って対策を取るように政治家たちに呼びかけてきました。
これは「学校ストライキ」と呼ばれ、最初はたったひとりの行動でしたが、瞬く間に世界に広がりました。国連でのサミットを前に先月20日には世界150カ国以上で約400万人の若者が一斉にデモ行進しました。日本でも集会やデモ行進が行われましたが欧米ほどではありませんでした。
学校を休んでまでのグレタさんの行動には賛否両論があります。欧州では概して好意的な受け止め方が多かったようですが、米国ではCNNなどが活動を客観的に紹介する一方、トランプ大統領に好意的なFOXニュースは「学校を休んでもいいのか」という批判の声を伝えました。日本でも否定的なコメントが少なくありませんでした。
しかし、このところ毎年のように欧州を襲う熱波を経験すれば、温暖化に対する危機感を持つのは当然のことでしょう。日本列島に近づいても台風の勢力が衰えないのは、日本周辺の海水温が高いからです。
□ ■ □
10代の若者は純粋です。グレタさんの思い詰めたような顔を見ると、彼女あるいは世界の多くの若者たちが危機感を募らせるまでに温暖化対策を怠ってきた我々大人たちの責任を感じます。
もしあなたのお子さんが、「温暖化対策を求めてデモに行く」と言い出したら、どうしますか。あなたが学校の先生だとしたら、教え子が「デモに行く」「ストライキをする」と言い出したとき、どんな対応をするのでしょうか。結局は大人が問われているのです。
それにしても、このところ世界では若い女性の活躍ぶりが目立ちます。香港で民主化運動の先頭に立つ周庭(アグネス・チョウ)さんは22歳。日本の文化に憧れ、独学で日本語を学びました。香港で会いましたが、その日本語能力には瞠目(どうもく)しました。
彼女が民主化運動に参加したのは10代半ばだったというのですから驚きです。香港の未来に危機意識を持っているのですが、香港行政府のバックには中国共産党の存在があります。これ以上の民主化を認めそうもない中で、果敢に戦い続ける姿には頭が下がります。
□ ■ □
さらにパキスタンのマララ・ユスフザイさんは、女性への教育を求めて過激派に命を狙われ、頭部に銃弾を受けました。それでも運動をやめることはなく、2014年には17歳でノーベル平和賞を受賞しました。
彼女たちの奮闘ぶりを見ると、「大人のあなたは何をしているんですか?」という問いが聞こえてくるような気がします。私たちは、若者たちの危機感をしっかり受け止めることができるのでしょうか。
 大岡山は池上教授の活動拠点である東京工業大学のキャンパス名に由来します。日経電子版に「大岡山通信」「教養講座」を掲載しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です