「脱炭素」 日本に厳しい目 気候行動サミット23日開幕

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国連が各国の首脳らを集めて温暖化対策を議論する気候行動サミットが23日、ニューヨークの国連本部で開かれる。国連は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が2020年から本格運用となるのを控え、温暖化ガスの削減目標の上積みを各国に求める。だが、トランプ大統領が参加しない見通しの米国と、対策強化を訴える欧州勢の溝は深い。日本も大胆な対策に踏み込めない。温暖化の脅威に立ち向かう世界の前に暗雲が漂う。
「石炭火力発電所を閉鎖し新規建設を取りやめ、カーボンプライシング(炭素値付け)を導入すべきだ」。国連のグテレス事務総長はサミットの開催にあたり、各国に具体策を強く求めた。
国連が対策をせかす背景には欧州の記録的な熱波など世界で相次ぐ異常気象がある。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、現在のペースでは早ければ2030年代に産業革命前からの気温上昇が1.5度になると指摘。すでに約1度上昇しており、このままでは海面上昇や干ばつなどで多くの人命が危険にさらされる。
小泉環境相出席
グテレス氏の危機感はサミットに臨む姿勢に表れている。「2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするための具体的計画」を持ち寄るよう参加国に促した。これに応える意向なのが、イギリスなどの欧州諸国だ。削減目標の引き上げ検討の考えを表明する国もある見通しだ。
一方、グテレス氏の意気込みとは裏腹に先進国を中心とする各国の連携にはほころびが目立つ。
日本は小泉進次郎環境相が出席するが、石炭火力発電所の新増設計画などに国際社会の批判が根強い。温暖化ガスの排出量を30年度に13年度比で26%減らす目標を掲げるが、原子力発電所の再稼働が進まない現状では達成が難しい。上積みできる状況にはない。
石炭火力について小泉環境相は「減らしていきたい」と話すものの、全廃の方針は示していない。石炭を維持する姿勢は海外の市民団体などから「対応が不十分だ」と批判を浴びている。グテレス氏が求めた「具体策」の要求に応えられず、日本に演説時間が与えられないとの臆測も流れる。
トランプ政権は2017年にパリ協定からの離脱を表明し、撤回する意向もない。米国の担当者はサミットでも距離を置く見通しだ。米国は6月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)関係閣僚会合の場でも「パリ協定は不公平な条約だ」(ウィーラー米環境保護局長官)などと主張した。
広がる批判姿勢
態度を硬化させる国がほかにも現れる。石炭産業が盛んなオーストラリアだ。太陽光発電などの普及が進むものの、液化天然ガス(LNG)も多く輸出する。化石燃料と経済が深く関わる。
モリソン首相も「石炭はこの国の将来の糧だ」と主張。温暖化の影響を指摘するIPCCの報告書にも後ろ向きな発言を繰り返す。
ブラジルのボルソナロ政権の環境相は「パリ協定は優先事項ではない」と批判姿勢をあらわにする。森林開発が原因とみられるアマゾンの熱帯雨林の火災対策でも欧州各国と対立を深める。
最大の温暖化ガス排出国である中国の出方もみえにくい。再生可能エネルギーを導入する一方、中国政府が17日に発表した声明では先進国側が資金や技術面で途上国を支援すべきだと訴えた。
こうした現状にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)の呼びかけに賛同した若者が20日、世界各地でデモ行進に加わっている。国内でも東京などで「気候の脅威は身近になっている」などと若い世代が声を上げた。
サミットでは、日本を含め各国がどれだけ危機感を共有し、実のある議論ができるかどうかが問われる。
(塙和也氏、安倍大資氏)

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