PTSD(心的外傷後ストレス障害)

世界保健機構(World Health Organization;WHO)による世界精神保健調査によるわが国での住民データによれば、一生のうちにPTSDになる人は、1.1〜1.6%ですが、20代から30代前半では3.0〜4.1%となっています。
ある企業の勤労者を対象とした調査では、1,000人余りの男性回答者のうち、過去にPTSDがあった人が1.3%、現在もPTSDだった人は0.2%でした。 米国でのKesslerらの調査では、人口の8%程度にPTSDが発症するとされています。同じ調査では、PTSDを生じるような危険な体験をする率は、男性で60.7%、女性で51.2%です。しかし、そうした体験をした人のうちでPTSDになるのは、男性で8.1%、女性で20.4%にすぎません。PTSDの発症率は、体験の種類によっても影響を受けます。自然災害では被災者の3%程度ですが、戦闘では半数弱、レイプでは60%程度になります。 災害の場合には、被害の軽い被災者がいることと、被害を人に言いやすく援助を受けやすいために、数字が低くなっていると思われます。これに対して戦闘やレイプは、全員がある程度以上の被害を受けていること、またレイプの場合には被害を人に言うことが難しく、必要な支援を受けにくいことが影響していると思われます。さらに、同じ被害を受けても女性のほうがPTSDを発症しやすいことが指摘されていますので、レイプの場合にはそのような事情も関与していると考えられます。 ただし、これらの数字はPTSDを発症する人の割合です。「予後」の項目でも述べますが、そのすべてが慢性化するわけではなく、少なくとも数カ月間は6〜7割の人に自然回復が期待できます。 WHOの予測では、PTSDは今後、劇的に増加することが示唆されています。交通事故、戦争による負傷、およびそのほかの暴力によって引き起こされるPTSDは、将来、全世界の障害原因の上位12位に入ると予想されています。

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